あとがき
ここまで読んでくださった方々に感謝の気持ちを込めて。
中学生編(U-17編前)まではこれにて終了とさせて頂きます。
※ここからは筆者の寒い自分語りというかお話解説というか、こういうことが書きたかったみたいなそんな話たち。主に原作の幸村くんと弦一郎についての解釈もあります。解釈違いがあればすっとブラウザを閉じることを推奨。でも読めばストーリーについて造詣が深まるかも?!(一銭の得なし)
まず幸村くんとちゃんについて。(真田連載なのでは?!)
旧連載でもこの二人は恋愛関係ではなく、今と同様にかなり親密な幼馴染という設定でした。それは変わらず。何が変わったかというと、幸村くんの心情を以前よりも事細かに書いたことですかね。連載の修正自体は原作の展開とは関係なく昔からやりたいことの一つだったので奇しくも同時進行する幸村くんの試合と共に見直すことができました。『あの頃』は実は三部作で三強のちゃんに対するドデカ感情や思い出を吐露する話でしたが、中学生編では幸村くんだけクローズアップさせてもらいました。旧作では、なんとなくちゃんの存在は幸村くんにとって唯一無二だと分かってもらえればいいかな〜くらいに漠然と思っていたのですが、あまりにもふんわりしてた上にサラッと書いていたので(それはそれで後味爽やかなのでよかったのかもだけど)本年度の新テニ本誌を踏まえて色々考えることがありました。幸村くんは絶対諦めないヤツなんだな、って思ったら少し書き方変えなきゃいかんな〜って思ったのです。もう単行本化してるので皆さんも是非読んでください。
では、一体彼女はどういう存在なのか?と考え直してみると幸村くんにとっては女の子だし、家族にも近いし、親友でもあるし、はたまた同志でもある。幼馴染という分かりやすい名前は付いてるけれども、それだけでは片付かない関係性だなと思い書いていてとても楽しかったです。この二人の関係性が幸村くんにとって家族以外の社会的な関わりのスタート(の一部)でもあります。ただお互い家族のように思っているので関係性の進展が大きく求められる恋愛関係には自然となりませんでした。ですので、きっとちゃんが異性に心惹かれるのを見るのはいつか来ることだとは分かっていたとはいえ、幸村くんには相当しんどいことだったろうなーと(鬼?)。辛い思いをしている時に他人に自分の心情を話せるという安心感は何にも代えがたいものだとわたしは思うので、それを踏まえた上でちゃんは幸村くんが幼少時から大切にしており捨てられないテディベア、『セキュリティ・ブランケット』(和名:ライナスの毛布)なんだと思っております。ですので、発達心理学や人間の発達過程の文献をいくつか読んでから、幸村くんの独語に臨みました。ちゃんをテディベアだと思う理由は幸村くんのイメージにクラシカルなテディベアがぴったりというのと、一方的に引きずられる毛布ではなく子ども側から話しかけたりして子ども達が友達だと感じやすい人型に近いぬいぐるみという点ですね。あとは読者の方のご想像におまかせいたします。
諦めないをテーマにどう絡めたかというと、弦一郎に託すことが諦めではないという捉え方になっただけです(笑)ただこれはもう本当に前向きな事実でありまして、自分の信頼できる人間に彼女を託すことよって幸村くん自身ちゃんとの関係性を損なうことなく、これからも一緒に過ごす未来を選んだということってめちゃくちゃ前向きすぎん?と我ながら思います。あのタイミングを選んだのは彼なりのプライドもありましたが。だって、関係性を変えることを恐れず自ら前に出て行動したんですもん。それに弦一郎自体彼のもうひとりの幼馴染なので、ちゃんと恋愛関係を結ばない幸村くんにとっては彼らを見守るのが一番幸せな道でもありますしね。それに幸村くんはちゃんのことをこれでもかという程大事にしているので、恋愛面にて彼女がパートナーを持つ幸せを最大限に尊重したいとの思いもあったかと。微々たる進歩にはなりますがこれからも少しずつちゃんとの関係性も変わってくると感じております。高校生編を書く(修正する)のが楽しみですね!
弦一郎とちゃんについて。
実は旧作を書き始めた当初の2008年(ひえ~~~~!!!)中学生編のみでお話を完結する気でいました。お互いの想いが通じ合いめでたしめでたしといった風に終える気でいたので、関係性の成熟みたいなものは考えておりませんでした。そこから続いた理由は「え、これで終わり?イチャイチャしないの??」とわたしが先を見たくなったからです(笑)なので完結を予定していた2009年より高校生編のプロットを練り出しまして今に至ります。今何年か知ってるか?2020年やぞ……(脚色のないホラー)
この二人は恋愛面ではまだまだ始まったばかり、スタートラインを切ったばかりで初々しいカップル。ですので作中では『チームメイト』の部分が濃かったなと書いてて感じました。チームメイトとしてはお互いある程度深い信頼関係で結びついてるかと思います。なんやかんや文句は言いつつも仕事をしっかりこなすちゃん(蓮二のフォローに大感謝)に全国でも屈指のテニスプレーヤーの弦一郎、なのでお互いコイツならちゃんとやる。とは思ってるんだろうなーと。良い距離感で友人でもあり、チームメイトでもあったかと思うんですけど幸村くんが倒れた事実で環境が急変します。病気が幸村くんとチームに及ぼした影響は計りしれず、「テニスは出来ないかもしれない」とかぬかしたインフォームドコンセントの概念などクソくらえとでもいうような医者によりギッスギスの状態に。自分の落ち込みを人に言いたくないちゃんは作中皆の知らないところでもぐすぐす泣いていたことでしょう。多分皆の見えないところで泣いていたのだなーということはさすがの弦一郎も察しております。でも女の子の考えることはわかんないし、自分も大変だし、チームも大変だし、それだけでもう手一杯!の弦一郎(15)は「俺はお前を認めている」という態度でいる以外どーすりゃいいんだ?!(それを考えるのがお前の仕事だろ)
あの年齢で身近な人が病に倒れた後のフォローするのは酷だとわたしも思っている、かなり際どいやり方でしたが部長代理として立海をチームとして導くのはさぞしんどかったろうと。弦一郎が腰に手を当ててえっへんとするしかありませんて。監督に見えるような、そんな大人のフリしなきゃなんねーんだ。ちゃんもそれを分かっているので弱音を皆の前で吐くこともないですしね(つらい)
というわけで、幸村くんの病気を下地として『約束』をした弦一郎及び立海での純粋な『勝利』の概念が変わってしまいます。この異質な『勝ちへのこだわり』は実は立海を蝕んでおり、色々な媒体で表現される立海は宗教ちっくでホラーな雰囲気さえ見えてくることもありますね。まぁ、勝利を神の子に捧げる様は宗教っぽいですけども……。弦一郎が幸村くんに何とでも成し遂げようとした思いに対してちゃんは、おかしいとかどうとかは思いません。というか彼女自身立海の一員であるので強豪校の孕む狂気性といったものに慣れてしまってますし、むしろその一端を担っております。負けは選手にある権利の『死』でもあるので、下手なことは言えません。これはわたしがいた強豪校レベルでも感じておりましたので、全国トップだともっとすごいでしょうね。
とかとか言ってるうちに、恋愛というジャンルにあるはずのお互いの気持ちが活性化しなくても仕方ないことではあります。あとは簡単に言えば、弦一郎がワンマンなところも大いにあったのでちゃんが一歩引いて支える形になってしまい自由に振る舞えず苦しかったことなんじゃあないでしょうか(ここまで語っといてすっとぼけ)
最後に、当作での弦一郎と幸村くんに共通するテーマは『大人になる痛み』でございまして加えてちゃんは立海の『調整役』または『許し』というテーマを抱えております。一体全体それはなんなんだ?!と思われるかもしれませんが(そういうことを皆は聞きたいんじゃないのか?!)
ここについてはまた高校生編で詳しく書いていくので、高校生編がいつアップされるか分かりませんが(滝汗)その時までお待ち下さい。
ちゃんと弦一郎の恋愛関係について語りますと、恋愛感情はお互いに向きつつも友人関係として留まり恋愛関係の段階に移るのに大分時間を要したかと思います。時間をかけて恋から愛に移っていきそうな弦一郎にとって、ジェットコースターのような一般的な中高生の恋愛よりかはずっとスローペースだな~と、でもそういった恋愛は理想的とわたしはにっこにこ笑顔になってしまう。性癖とも言いますね!!(大声で言わんでよい)
今のところ、辛いや悲しい以外の感情は隠さず他の考えや意思表示はかなりハッキリしてるタイプの子なので、今の時点では弦一郎も彼女の気持ちを察する努力をそこまでしなくともいられるかと思います。弦一郎が一人の女の子を大切にする感情が未発達だったので何か芽生えるものがあったんではないか?!くらいのほんの些細な変化を30話超もかけて書けたのが楽しかったです。いや~長かった。
ということで、ここまでのお話は二人にとっては序章でございます。弦一郎の気持ちの変化は今後大きく見られるでしょう!(天気予報か?)
話せば今後のネタバレになってしまい幸村くんほど二人の仲のみに絞って語ることがなく、申し訳ない思い……(;;)
蓮二について。
蓮二についてはまだギミックレベルでしか働かせることができてないな~~舞台装置以上の働きを高校生編では見せてやるから待っててくれという気持ちしかない。蓮二には半端にウロチョロさせちゃってますね。まあその理由はわたしが三強箱推しみたいなところがあるので……、弦一郎と蓮二の関係についても掘り下げられたらいいな!(未来へ丸投げ)
ちゃんについて。この子が帰国子女な理由、それは単に作者が帰国子女だからだよ……!実際のところ、帰国子女じゃない人生を歩んだことがない上に割と「アメリカじ~ん!」と学生時代から今でも仲良い友人からも揶揄されてしまう筆者でございます。帰国子女じゃない日本の学生を書くには無理がありました。なので、基本的にテニプリの二次創作長編になると学生の子は帰国子女設定にしたりしてましたかねー。だから書いていてちゃんはよく脳内にこんな流暢な日本語流れているな???と思ってます(笑)決してわたしが日本語不自由だったわけではありませんし、ダブル・リミテッドでもありません。ですが、多分帰国して数年はまだまだ変な日本語で喋ることが多かった記憶があり、今でも多々あると思ってます。完全にただただ筆者の日本語能力が高くないという件。ただお話を書くにあたって、コイツ何言ってんだ?みたいなことが多いと読者の方々にも伝わらないですしちゃんの滑らかに見えてるかもしれない日本語の思考は実はもっとカタカナや英語が多かったりします。意思疎通に問題は全く無い程度なので、そこは脚色して書かせていただきました。とかなんとか思うと、ジャッカルが仲良くなってくれてよかったーと思うな!!(唐突のジャッカル)
いつか書くかもしれないけど、ちゃんはジャッカルと英語が話せて嬉しかったろうな。ジャッカルも第二言語レベルの英語習得度だと勝手に妄想(一応ブラジルの第二言語について調べはした)
あとは大して言うことないな。完全にオリキャラな立ち位置の夢主なので、こういう子もいるんだねと受け入れてもらえたらとても幸せです。
プロットを作るに当たってめちゃくちゃ設定を見直したり、お話の順序を入れ替えたり、時系列を原作と比べて手を加えていったり……色々なんやかんやしたんですが、すべてを書き終えアップロードしてわたしのお気楽な頭はどんなに大変だったかとかはきれいさっぱり忘れてしまいました。毎月SQの発売とともにぐえーと奇声を上げて幸村くんについて考えては苦しみ、本作で病気に苦しんでる幸村くんの気持ちを想像しては苦しみ、過去の誤字脱字・未熟な自分の変な日本語と大格闘しては吐血し(心的吐血)、夜な夜なうわ言をド深夜のTwitterに流していたせいか周りからも心配されました(幸村くんに何が起きたの?!と思われたらしい)。ですが、二次創作また頑張るか~!と本腰入れた今年、毎日何かしらの作業をするにあたって日々の健康管理と共に身の回りのことに力を入れ始めQOLがワンチャン上がった気がします。いや、ワンチャンどころかツーチャンある。二次創作は時間を作ってなおかつ健康じゃないと続けるの難し~んですね。読む方もなかなか気力がいると思います。なので皆さん健康でいてください。わたしには祈ることしかできません。言ってることがしっちゃかめっちゃかですが、さして面白いことも言えないのでテキト~なまとめ方で締めていきたいと思います。アッ、ちなみにU-17編は高校生編と並行して書いていくシリーズものになります!(詰め込み方)
実はこれは弦一郎お誕生日おめでとうの企画の一貫でもありました。弦一郎お誕生日おめでとう!(今更)
これからも真田弦一郎を愛していくことをわたしはここに誓うよ!
そしてのんびりゆっくり続いていく予定(最早12年)なので、皆さんが書いてるわたしと共に本作を楽しんで頂けたら幸いでございます。ここまで読んでくださった方々、もしいらっしゃったら誠にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願い致します。
(201209)