中学の頃からずーっと性格が似てて毎日メールしてて、電話も頻繁に行ってた。一応女の子っていう設定らしい。設定、というのは彼女には彼氏がいるから、俺の中ではそういう設定ってこと。しかしその彼氏との付き合いもいい頃合いなところ。俺は電話先でずーっと愚痴聞かされて、んで、もう互いの将来が見えない頃。もう惰性で付き合ってるって感じか。俺はそれをずーっと今まで何年も聞かされたんだ。んで、俺も絶賛失恋中。つってももう2ヵ月は経った頃か。俺はとの間に絶大なる信頼を築いていた。それはもう、誰にも崩せないような。女と男の境を超えたような絆が俺たちの間に確かにあった。


ある時また電話していた時、急にが、「がくとならこんな思いしなくて済むんだろうなあ・・・」 ってポツリと呟きやがった。俺はその言葉に今まで頭をかすめた思いを吐き出す勇気を振り絞る、ああ、そうかこれは今言うべきことなのか。


「お前がそう思うんなら俺んとこ来いよ。俺ならは泣かせねえ」
「え」



明らかは拍子抜けしてるようだった。でもすぐにあー・・・と声を出して、何か分かったように頷いた。


「うん、割りとそれ本気で思ってたところ」
「・・・・だよな」


やっと俺たちの気持ちの方向性が一致した。今まで違う方向を向いてた俺達、でも考えることは似ていた俺たち、手に取るように何を考えてるか、どう行動に出るかわかってる俺達。でもまだ彼氏がいる。さあ、どうする?お前はこれから何を選ぶ?


「分かってんだろ、。お前何を選ぶか決めろよ。将来性のないあいつか、一緒にいて絶対楽しい俺か」 「いや、選ぶとこはそこじゃない。お前が何を大事にするか、将来性が見えなくてずるずるやってんのか、それとも楽で、それも楽しくて意思疎通のできる俺と」


こんなことをに言うのは正直こっ恥ずかしい。もう長年の付き合いだ、こんな風にマジで言ってんのは、俺がマジだからだ。別に急に湧き上がってた気持ちとかじゃない。今まで思ってたこと、本当のこと。色々なこと、俺が前の彼女にフラレて考えてたこと。伝えるのが今なんじゃねーのか?


「俺はとの関係がどうであろうと一生大事にしたい。それはお前も一緒だと思う。つーかお前に会えたこと自体運命だと思うし?」


はこんなくさい台詞をうん、と相槌打ちながら素直に聞いてくれる。俺がどんな想いでこれをに伝えてるかわかってるんだろう。


「だから・・・考えろよ。逃げんなよ、ケリつけろ」
「はい」


はまたもやすんなりと受け止める。きっと俺がこう言ったことで俺の期待度も、のこと考えるだけで支えられてることだって分かってる。それに俺は短気だからな、答えだって早く欲しい。それだってが全て分かってる。ああ、だから俺はお前と一緒の未来を歩いて行きたいんだ。


「がくとあたし今すっごい人生の岐路に立たされてるね。考える時間ちょうだい、一日でいいから」
「おう。じゃあ明日メール待ってる」
「いつ答え出せるかのメールだから。もうちょっと待って」
「ああ、それに俺来週の日曜日テニスなくて暇だから行きたい店ある」
「うん。分かった分かった。とりあえず明日メールするから」


つまり俺はせっかちってこと、分かってんなあ、さすが。来週お前と行きたい店あんだよ、でもこの中途半端な時点で行きたくない、お互い分かってる。ずるいヤツらに俺らはなりたくないし、なれない。だからケリつけてからな。なあ、俺を選べって。絶対幸せになれるから。お前と行きたい場所たくさんあんだよ、絶対楽しいって。それにお前料理上手だろ?セックステクだって経験のなかった前の彼女より期待できる。だから迷ってんなって、人生の岐路だってわかってるけどな。そうだよ、俺はお前の考えること手に取るようにわかる。でもこればかりは俺がわかってたってどうお前が選ぶかは俺にはわかんねえ。俺は期待しながらお前を待つ。期待を折るようなことお前はしないって俺信じてるから。でも俺に伝えられることは伝えた、そう、俺を選べよ。ぜってー俺の手で幸せにしてやっからさ!